インプラント

インプラント治療とは

インプラント治療とは、歯を失った箇所にチタン製の人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を作る治療法です。これまでの、歯を補う治療法である「入れ歯」や「ブリッジ」と違い、インプラント治療は、歯を削ることなく天然歯のような見た目と自然な噛み心地を得られるという特徴があります。金属を歯茎に埋めるの?と心配な方もいらっしゃると思いますが、チタンは、非常に生体親和性が高い金属です。骨と強く結合するため丈夫な上に、錆びにくく、金属アレルギーの心配もほとんどないため、安心して治療を受けていただけます。一方で、粘膜とはあまり強く結合しないため、天然歯に比べ細菌感染に弱いという欠点もあります。
当院では、「1本でも多く歯を残す治療」を心がけています。ご自分の歯で噛むということが、何よりも身体の健康につながっているからです。まずは、その可能性を一緒に探り、どうしても難しい患者さんに対して、インプラント治療をご提案いたします。インプラント治療のメリットデメリットも丁寧にご説明した上で、治療を開始しますので、ご不明な点は何でもご相談ください。

歯科用CT「ベラビューエポックス X700+3D」を導入しています

インプラント治療において、何よりも重要なのがCT検査といっても過言ではありません。まずは、インプラント治療に適応している歯の状態であるのかを診断することが大切です。また、インプラント治療を進める場合にも、大事な神経を傷つけたり、噛み合わせが悪くなるなどのトラブルを起こすことのないよう、骨の厚みや高さ、形、また神経・血管の位置など、顎関節の状態をしっかり把握する必要があります。当院で導入しているベラビューエポックスは、1台でパノラマ撮影、セファロ撮影、CT撮影が可能です。パノラマ撮影は、全域に渡ってフォーカスの合った読影しやすい画像を取得することができ、求められる部位を観察しやすくなっています。また、歯列や顎骨、顎関節などの画像を観察しやすい濃度に自動調整することもできます。CT検査で得た情報を元に、お一人お一人の患者さんに合わせて安全な治療プランを立てていきます。
歯科用CT「ベラビューエポックス X700+3D」

インプラント、入れ歯、ブリッジの違い

歯を失った時の治療法として、インプラント、入れ歯、ブリッジなどの選択肢があります。インプラントは、近年の歯科医療技術の発達により、人気が高まってきている治療法ですが、全ての人にベストな治療法かというとそういう訳ではありません。それぞれにメリットデメリットがあるため、患者さんにしっかりとご説明をし、ご理解いただいた上で治療を進めることが大切です。
インプラント 入れ歯 ブリッジ
メリット ・発音や発生に影響がない
・周囲の歯に負担がない
・健康な歯を削る必要がない
・お手入れは普段通り
・簡単に治療が受けられる
・治療期間が短い
・取り外しができるため、歯磨きできない方には衛生的
・入れ歯に比べると噛みやすい
・補填物を選べば天然歯と変わらない見た目
デメリット ・疾病や歯の状態によっては治療できない場合がある
・手術が必要
・治療期間が長い
・細菌感染に注意する必要がある
・顎の骨が痩せやすい
・歯茎に合っていないと痛みが出る場合がある
・発音しづらい場合がある
・食べ物カスが詰まりやすい
・取り外してお手入れをする必要がある
・健康な歯を削る必要がある
・周囲の歯に負担がかかる
・顎の骨が痩せやすい
審美性 天然歯 ×
噛む力 90% 30% 60%
耐久性 10年で90%以上 4年で50% 8年で50%
保険適用 ×

治療の流れ

STEP
相談、カウンセリング
患者さんのお悩みや気になっていることなどをお聞きします。歯やお体の状態も伺いながら、最も適した治療法を探します。
STEP
CT撮影、検査
インプラント治療を始めるには、お口の中をしっかりと検査する必要があります。お一人お一人状態が違うため、CT撮影で顎関節の状態を確認します。
STEP
治療計画のご説明
インプラント治療を開始することが決まったら、今後の治療計画を丁寧にご説明いたします。メリットデメリットも十分納得していただいた上で治療を進めていきます。
STEP
虫歯治療、抜歯など
本治療の前に、虫歯や歯周病が見つかったら、その治療を終えている必要があります。また、抜歯が必要な場合もあります。
STEP
インプラントを埋める手術
手術日には、麻酔をして、まずは顎の骨にインプラント(土台)を埋めます。
STEP
骨と結合するのを待つ
インプラントはチタン製のため、骨と強く結合しますが、しっかり結合するまで、3〜6ヶ月程かかります。しっかりと噛むことができるよう、その期間は待っていただきます。
STEP
歯の取り付け
しっかりと土台が骨と結合したら、人工歯を被せます。
STEP
メンテナンス
インプラントを長持ちさせるためには、口内清浄と定期的なメンテナンスが非常に大切です。治療後も、責任を持ってメンテナンスをサポートいたします。

治療後のメンテナンス

インプラント治療を受けた後は、しっかりとメンテナンスを行うことが大切です。メンテナンスを怠ると、細菌感染を起こし「インプラント周囲炎」という、歯周病と同じような感染症を引き起こしてしまいます。インプラントは天然歯と違い、歯根膜がないので炎症を起こしやすいにも関わらず、自覚症状が出にくいため、気づかないうちに炎症が進んでいる可能性もあります。予防のためにも、定期的なメンテナンスを是非心がけてください。

歯科医院でのメンテナンス

患者さんの状態によって違いますが、数ヶ月に1度受診していただき、メンテナンスを行います。気になる症状がある場合はこれに限らずご連絡いただければ診察いたします。
・噛み合わせや歯肉の状態など口内チェック
・レントゲンによる検査
・ブラッシング指導
・クリーニング

セルフメンテナンス

インプラントを長持ちさせるには、正しいセルフメンテナンスが不可欠です。基本的には、天然歯と同じように、被せ物と歯肉の境目の汚れが溜まりやすい部分をやさしくブラッシングすることが大切です。歯ブラシはやわらかめのものを選んでください。また、歯間ブラシやデンタルフロスを活用することも効果的です。